hoyonco’s diary

悪あがきのまいにち

『君と宇宙を歩くために』を読んで、私は。


今日私はとある漫画を読んだ。
たまたまSNSの広告に出てきて、気になって試読し、続きが読みたくて
急いで本屋に駆け込んだ次第だ。

 

「君と宇宙を歩くには」泥ノ田犬彦 作

 

この本の、何が気になって手に取ったかといえば、多分、主人公・小林があらすじで「勉強もバイトも続かないヤンキー」として紹介されていたことかなと思う。
何を隠そう、私も「続かない」人間なのだ。


私はつい先日、24歳にして3社目となる会社を退職した。
理由は、精神面の不調により、である。
一度目も二度目も、「精神面の不調により」で会社を辞めている。

この会社に入社したときは、三度目の正直で落ち着けるんじゃないだろうか、と夢見ていたときもあった。


しかし二度あることは三度ある、今回も仕事を続けることはできなかった。
「続ける」ということが、私にとってはどうやら難易度が高いらしい。

もちろん、3社目、自分なりに対策も続けてきたし、周囲の人にもたくさん協力してもらった。

それでも、続けられなかった。できることは、思いつくかぎり試してみたと思う。会社に自分が行きやすくなるために、人付き合いに力を入れたり、仕事も積極的に行っていて、評価も悪くなかったと思う。

でもいつもダメになってしまうのだ。
だから、小林という「続かないヤンキー」に興味を持ってこの漫画を読み始めた。それがきっかけだ。

 

 

話を戻す。
「続かないヤンキー」こと主人公・小林は、宇野という、変わり者の転校生とひょんなことから仲良くなる。


宇野は、変わっている。例えば、話すときには大きすぎる声。あまりに高すぎる記憶力。そして、手にはいつもぼろぼろなノート。大きな音が苦手だったり、人が多いところではパニックになってしまう。

推測だが、宇野はなんらかの障害を持っているのだろう。彼は、自分の特性に困っていた。


でも、彼は自分のこと作中でこう言っている

 

-わからないことがあるときは1人で宇宙に浮いているみたいです。
-上手にまっすぐ歩けない
-それを笑われたり怒られたりすると怖くて恥ずかしい気持ちになります。

私は、胃の腑に言葉がストンと落ちていく感覚を味わった。

去年、職場で一度、あまりに一杯一杯になりすぎて、先輩からのとある指摘をきっかけに、大勢の同僚の前で、みっともなく大泣きしたことがあった。
当時の私の気持ちは、焦って、パニックでぐちゃぐちゃで混乱しており、どうやったらここから立ち直れるのか、どうしたらいいのか、見当もつかなかった。そして、そのことで相手をさらに不快にしてしまった。

 

そんなふうにして、指摘や怒られたことに恐怖や羞恥を感じてしまうのは、私が弱い人間だからだと思っていた。


しかし、この漫画を読んで、宇野と小林が「宇宙」でもがいているのを見て、ああ、私の苦しみは、私だけの苦しみではなかったんだな、と気づくことができた。
漫画を書いている作者の先生や、宇野や小林は、わかってくれる。そうやって、わかってくれる人が、この世には存在している。漫画に優しく自分を肯定された気がした。

 

別の日のことだ。
職場で、先輩への質問がまとめられず、焦ってパニックになって、どうすればいいのかわからなくなってしまったことがあった。あのときは私も一緒に笑ってしまったけど、本当は先輩に「意味わかんないんだけど笑」なんて笑って欲しくなどなかった。

わがままかもしれないけど。

あのときも、私が弱いから笑われて辛いんだと思っていたけど、本当は、焦って、宇宙でもがいて苦しんでいる私を笑って欲しくなどなかったんだなあ。
自分がそんな気持ちだったことに初めて気づけた。


宇野。小林。そして作者の泥ノ田犬彦先生。ありがとうございます。
宇野と小林を通して、あのとき泣いてしまった自分を、笑われたくなかった自分を客観的に見ることができました。
怖くて恥ずかしくて
そりゃあ感情がぐちゃぐちゃになって、涙も出て当然だったよ、自分。

 


先ほどの宇野のセリフ(引用)に続く言葉はこうだ。

-でも、僕は宇宙を歩きたい!

 

宇野が、「宇宙」を歩いていくための
「命綱」(テザーというそうだ。)として持っているのが、ぼろぼろのノートだ。


そこには「朝起きてからやること」や「バスの乗り方」など、生活に必要な行動に関する一切がメモしてある。
焦ってしまったり、わからなくなったときに咄嗟に見ると安心できる、とのこと。

私も自分なりに命綱に近いものを持っている。

 

私の命綱は、
パニックになりそうな強い感情(例えば、それこそ恐怖や、恥など。あとはすごく面白かったこと、なども。)を持ったときに、すぐにその気持ちを書き出すためにノートを開く、ことだ。

今こうやってブログを書いていることも多分、そのノートの一環で、本を読んで感動して、いっぱいいっぱいになった感情を、パソコンでぽちぽちとアウトプットしている状態なんだと思う。

自分なりのの命綱、もっとブラッシュアップしていこう。いつか、作中でノートをきっかけにつながっていく宇野と小林みたいに、それが人とのつながりを産むかもしれないしね!